「高校を卒業したら、東京の専門学校に行って
将来は、一流のパティシエになる」

高校3年生の時、そう言ってパティシエになるための
勉強をしている同い年の男の子がいたの。
その子の名前は三浦春斗。背は高く、低くもないくらい。
髪の毛は、黒髪のショート。くるんとした大きな瞳が印象的で、
遠くから見ても美形と分かる端正な顔立ちをしていたわ。

「パティシエになる?え、え、マジで?
三浦くんって、お菓子とか作れたっけ?初耳なんだけど」

その時は、彼が本気でパティシエを目指してるだなんて、
思ってもみなかった。いつも冗談ばかり言う人だったから、
今回も冗談だろう、そう思ってその発言を気にも留めてなかった。
だけど、その1か月後―
彼が熱心にパティシエになるための勉強をしているのを目にして、
あれは冗談なんかじゃない。ハッキリそう気付いたの。

「堅実かつ真面目な人生が一番だよな。
フツーに大学行って、卒業してフツーの会社に就職して。
安定したフツーの人生が一番だよな、やっぱ」

当時、私が付き合っていた彼氏の口癖。
年は私と同じ高校3年生で、性格は真面目で大人しかった。
いつも『マトモ』な意見を言う人だったけれど、
コトが思うように進まない時などは、『マトモ』なその言葉が、
少し息苦しいと感じることもあった。

‟その息苦しさから逃れるため”
なんて言ったら、ただの言い訳に聞こえるかしら。
私はパティシエを目指しているその男の子と、メールで頻繁に
やり取りをするようになった。

どうしてパティシエになろうと思ったのか、
夢を叶えるために、どんなことをしているのか。
聞くのが純粋に楽しかった。
私は周囲の意見に流されてばかりの人生を送っていたから、
夢を一途に追いかける彼に、どこか憧れのような感情を
抱いていたのかもしれない。

「今度俺の家に来ない?
目の前でケーキ作るとこ、見せてあげるよ」

友人と2人で彼の家に遊び行った時―
友人の居ない隙を見計らって、秘かにそう耳打ちをされた。
「彼氏いるから、それはダメ」
そう言おうとして、なぜか口が全く動かなかった。
気付かない間に、彼に深く深く惚れ込んでいたの、私。
そしてズルズル、彼氏と二股交際を・・・。

その後、彼は夢を実現させて、本当に一流のパティシエになった。
今は、東京の目黒区で自分のお店を構えてる。
「ミュージシャンになりたい」「カメラマンになりたい」
私の周りに夢を語る人はいっぱいいたけれど、本当に自身の夢を
実現させたのは彼だけ。「そんな不安定な職業、ヤメておきなさい」
「安定した人生が一番よ」親や教師、多くの人に反対されて、
たいていの人は夢を諦めてしまう。だけど、彼は違った。
【自分の意思】をしっかり持って、行動できる男の子だったの。

付き合っている男性の意見に流されていた私だったけれど、
きちんと自分の意思を持って行動できるようになったわ。
「浮気=悪い」と、ひと口にそう言えないわね。
以上、私の極秘浮気体験記でした。
『浮気体験記』と銘打ってるけれど、(浮気の体験記ではあるのだけれど)、人生で生きていくうえで大切なことがたくさん盛り込まれて
いるわ。良かったら参考にしてね。
貴女にも素敵な夢が見つかりますように。そう強く願いを込めて。

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