「母のいる実家に帰って子供を産もうと考えてるの、私」

愛する妻にそう切り出されたことが、僕が禁断の過ちを犯してしまうことになる大きな原因でした。結婚3年目を迎えた春のことでした。
当時、僕は34歳、妻は32歳。
僕は、大手医薬品会社で商品開発の仕事に携わっていました。

「実家に帰って子供を産む?んー、まあ別に良いけど・・・
あっちの方がバスも少ないし、田舎だろう?
何かあった時のことを考えると、こっちで産んだほうが・・・」

なんて、表向きではそう答えましたが、
(妻が実家に帰ったら、家事や金銭管理は全て僕がやることに―
それはちょっと面倒だなあ)というのが本音でした。

「大丈夫、大丈夫。田舎でも病院はちゃんとあるからさ。
ここよりは、ちょっと少ないかもしれないけど」

言い出したら人の話を聞かない性格だということは解っていたので、
仕方なく妻の要望を聞き入れることにしました。

(ま、たまにはこういうのも良いんじゃない?
毎日ベッタリして熱苦しいくらいだったし。
言い出したら聞かない、この性格にはちょっとウンザリしてた所だし。
少しの間実家に帰るくらい―)

なんて、そんなことを考えていた僕。
ところが、実際に妻と離れて生活するようになってから
抱くようになったのは思いもよらない感情でした。

(寂しい。)
痛切にそう思ったのです。熱苦しいだの、ワガママだの散々心の中で
文句を言っていましたが、心の奥底ではいつも妻を欲していたことに、
その時初めて気付かされました。

だからでしょうか、僕が浮気に走ってしまったのは。
‟一時期の寂しさを埋める為に”
他の女性と、秘かに関係を持つようになりました。
相手は8つ年下の独身女性。
背は低く、色白で、世間で言うところの『愛嬌のある』顔立ちをしていました。
彼女とは職場を通して知り合いました。
ウンウンと大きく相槌を打って人の話を聞いている姿を見て―
この子なら、僕の寂しさを埋めてくれるかもしれない。
そんなふうに思ったのです。

‟不倫はいけないこと“
もちろん、そんなこと解っていました。
しかし、日々降り積もる孤独な想いに、人恋しさに、
結局僕は、最後まで打ち勝つことができませんでした。

そして妻以外の女性と、禁断の愛を―

無事子供が産まれ、妻が我が家に戻る頃には、
すっかり僕たちの関係は終わっていました。
一時期の、寂しさを埋めるためにしたことですので。別れてからも、
寂しいとか会いたいとかそういう気持ちになることはありませんでした。
彼女も彼女で、良い相手を見つけて、今はそのパートナーと
順調に愛を育んでいます。

寂しさから浮気に走ってしまった僕ですが、その女性とお付き合いをしたことに対し、全く後悔はしていません。
あのまま一人でいたら、寂しさで頭がおかしくなっていたかもしれません。
ちょくちょく家に来て家事を手伝ってくれたので、
そのことにも非常に感謝しています。一時期だけど、『疑似家族』みたいなのが体験できてとても楽しかった―なんて、妻に言ったら怒られますかね。
以上、名古屋市内在住・既婚男性(34)の極秘不倫体験記でした。

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